Bクラス 3rd Season 2020

第3回(web配信)「ワイルドホーンとウィーンとJAPAN」(2020/3/20)

 新型コロナウイルス感染症拡大を受け、無観客開催&YouTube有料同時配信を実施。YouTubeチャットやTwitterでの視聴者の皆様のご意見・ご質問とも呼応しながら講義を行う、初めての試みでした。

 

 「日本を彷彿とさせる音楽のレシピ」を副題に、フランク・ワイルドホーン、シルヴェスター・リーヴァイ両作曲家の作品が、日本の音楽と類似点を感じさせる理由を解き明かすタイトル。

 

 日本を感じさせる音楽的な要因として、

1. メジャーでもマイナーでもないメロディ

    メジャーともマイナーともつかない揺れ動くハーモニー

2. 表拍に始まり裏拍に流れていくエネルギー

3. 7th コード(ドミソ、にシを加えた4つの音から成るコード)

 

の三点を挙げ、それぞれワイルドホーン、リーヴァイ、日本の具体例を演奏しながら観察。

1. では主に演歌のメロディの終わり方を共通点として、『エリザベート』「最後のダンス」を。

2. では西洋音楽の「裏拍」と日本の音楽の「表拍」の違いを、"Be Our Guest"、"Let It Be"の「もしも表拍から歌い始めたら」という実演を交えて解説し、『ジキル&ハイド』「あんな人が」を。

3. では80年代にはじまるJ-POPの特徴的なコード進行を挙げながら、『デスノート』「秘密のメッセージ」を。ここではさらに、日本・韓国のオリジナルミュージカルも取り上げました。

 

 そして最後に、ワイルドホーンやリーヴァイはなぜ日本初演作品を多く手がけ、日本人に親しまれているのか、日本人に向けた音楽と、西洋人に向けた音楽は具体的にどう違うのか、など、大部・谷本両名の実感をベースに議論を展開しました。

第2回「ロイド=ウェッバーの 何が『王道』なのか」

新型コロナウイルス感染症の影響により、開催中止(2020/2/29)

第1回「ディズニープリンセスと音楽の『カワイイ』」(2020/1/25)

 ディズニープリンセス音楽(映画・ミュージカル)の中でも、作曲家アラン・メンケンが手掛けたものを中心に観察。

 

 歌詞と切り離した音楽そのものに、「女性性」「カワイさ」といった要素があるかというテーマで、音楽のテンプレートを言語化しました。

 

 アリエル/ベル/ジャスミン/ラプンツェル といった、作品を越えたプリンセス音楽の中に、

・ワクワクする部分「疾走部」

・うっとりする部分「夢想部」

の二部分が共通して存在すること。

 

 このテンプレートが、メンケン以外の作曲家(ロペス夫妻)が手掛けた『アナと雪の女王』でも引き継がれていること。

 

 などを、メドレーやマッシュアップを含む実演多めで、ご説明しました。

 

【演奏曲】

・「女も15になれば」『コジ・ファン・トゥッテ』(伊)

・「どんな夢より」『リトルマーメイド』(英)

・「何かが変わった」『美女と野獣』(英)

・「スピーチレスー心の声」『アラジン』(英)

・「トニー賞主演男優賞70年メドレー」(オリジナル)(英)

・「プリンセス マッシュアップ」(オリジナル)(歌詞なし)