新型コロナウイルス感染症拡大を受け、無観客開催&YouTube有料同時配信を実施。YouTubeチャットやTwitterでの視聴者の皆様のご意見・ご質問とも呼応しながら講義を行う、初めての試みでした。
「日本を彷彿とさせる音楽のレシピ」を副題に、フランク・ワイルドホーン、シルヴェスター・リーヴァイ両作曲家の作品が、日本の音楽と類似点を感じさせる理由を解き明かすタイトル。
日本を感じさせる音楽的な要因として、
1. メジャーでもマイナーでもないメロディ
メジャーともマイナーともつかない揺れ動くハーモニー
2. 表拍に始まり裏拍に流れていくエネルギー
3. 7th コード(ドミソ、にシを加えた4つの音から成るコード)
の三点を挙げ、それぞれワイルドホーン、リーヴァイ、日本の具体例を演奏しながら観察。
1. では主に演歌のメロディの終わり方を共通点として、『エリザベート』「最後のダンス」を。
2. では西洋音楽の「裏拍」と日本の音楽の「表拍」の違いを、"Be Our Guest"、"Let It Be"の「もしも表拍から歌い始めたら」という実演を交えて解説し、『ジキル&ハイド』「あんな人が」を。
3. では80年代にはじまるJ-POPの特徴的なコード進行を挙げながら、『デスノート』「秘密のメッセージ」を。ここではさらに、日本・韓国のオリジナルミュージカルも取り上げました。
そして最後に、ワイルドホーンやリーヴァイはなぜ日本初演作品を多く手がけ、日本人に親しまれているのか、日本人に向けた音楽と、西洋人に向けた音楽は具体的にどう違うのか、など、大部・谷本両名の実感をベースに議論を展開しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、開催中止(2020/2/29)
ディズニープリンセス音楽(映画・ミュージカル)の中でも、作曲家アラン・メンケンが手掛けたものを中心に観察。
歌詞と切り離した音楽そのものに、「女性性」「カワイさ」といった要素があるかというテーマで、音楽のテンプレートを言語化しました。
アリエル/ベル/ジャスミン/ラプンツェル といった、作品を越えたプリンセス音楽の中に、
・ワクワクする部分「疾走部」
・うっとりする部分「夢想部」
の二部分が共通して存在すること。
このテンプレートが、メンケン以外の作曲家(ロペス夫妻)が手掛けた『アナと雪の女王』でも引き継がれていること。
などを、メドレーやマッシュアップを含む実演多めで、ご説明しました。
【演奏曲】
・「女も15になれば」『コジ・ファン・トゥッテ』(伊)
・「どんな夢より」『リトルマーメイド』(英)
・「何かが変わった」『美女と野獣』(英)
・「スピーチレスー心の声」『アラジン』(英)
・「トニー賞主演男優賞70年メドレー」(オリジナル)(英)
・「プリンセス マッシュアップ」(オリジナル)(歌詞なし)